所信表明

はじめに

1965年に創立し、1966年に全国で316番目に認証された相模原青年会議所は、明るい豊かな社会の実現に向かって地域社会と国家の発展を図り、会員の連携と指導力の開発に努めるとともに国際理解を深め世界の繁栄と平和に寄与することを目的とし設立されました。

58年間、いつの時代も先輩方は未来への可能性を疑いもせず夢を描き、大切な人のために行動し、時代を築いてきました。

私たちは、今という時代をただ黙って満足に浸るのではなく、歴史や平和そして地域への敬意を払い、誰もが未来への可能性を信じ、夢を描ける社会を築かなければならないのです。

私は、幼いころ親が離婚、再婚する経験をしました。環境が一変し、親や大人を恨み、反発を繰り返していましたが今思えば、親から必要とされたいと思うことを認めたくなかったのだと思います。

どこか私を必要としてくれる居場所を探すようになったそんな時に一人の人と出会いました。その人は私にとても厳しく、熱っぽく接してくれ、何に対しても他人事で中途半端な私に、生きる情熱を本気で伝えてくれたのだと思います。人は思いやりと情熱をもつことで人との繋がりを創り、誰かのために行動できる、そしてそれが誰かの笑顔につながることを身をもって知りました。2023年を迎える今、社会はデジタル化が進み、生活が便利になり、家にいながら世界中と繋がることなどコミュニケーションを簡単にとることが可能となりました。

その反面、人と人との繋がりが希薄化し、社会問題を生み出すほどになっています。私は相模原青年会議所でたくさんの人と出会い、そして支えられ、助けられてここまできました。人は人との繋がりで困難を乗り越え、他者のために行動できることで自らの成長となり、地域を笑顔に変えることができるのです。

相模原市の未来は広域交流拠点都市として、リニア中央新幹線新駅設置による発展、相模総合補給廠の一部返還地における開発、緑豊かな自然、都心からアクセスのいい立地などを活かし、地域の繋がりで未来に希望をもつ子ども達、ハード面の発展と同時に仕事に生きがいをもつ人々で溢れる物も心も豊かになる相模原経済、それを実現するために思いやりと情熱を持ち全国や世界とのネットワークを活かし行動する青年会議所メンバー、その想いはやがて、相模原に住み暮らす人々がこのまちを心から愛し、誇りに思える誰もが笑顔溢れる相模原を創り上げます。

私たちは、机の上の議論だけではなく、若者らしく尖った発想と若者しかできない行動力で仲間とともに我武者羅に走り続けていくことが求められているのです。

思いやりと情熱をもった人材育成

20歳から40歳までしか活動できない青年会議所は、入会したメンバーが様々な経験を積み、卒業後、まちや人の課題に対して意欲的に取り組む人をどれだけ多く輩出できるかが重要です。そのためには、個人が機会の提供を自ら掴み取る必要があります。思いやりと情熱を持ち、メンバー同士の繋がりが他のメンバーの支えとなることで一歩踏み出すことができます。

だからこそ相模原青年会議所は人との繋がりを大切にし、メンバーに寄り添える魅力をさらに伸ばせるLOMでありその繋がりを相模原中に広げることは私たちの使命なのです。

近年の会員拡大成功により200名近いメンバーが所属する組織になりました。その中には経営者はもちろん、女性や会社員など多種多様な人材が多く所属しています。その反面、在籍年数が平均の4年より浅いメンバーが多く、青年会議所がどんな組織であるかはもちろん、仲間との連携が十分に図れないうちに卒業を迎えるメンバーも少なくありません。

今年度は、青年会議所について知る「共感」と、自らが置かれた環境からどう一歩を踏み出すかという「挑戦」をしてもらうきっかけを作ります。理事構成メンバーへの立候補や出向の機会を自ら掴み取る、そんなメンバーが増えることで相模原青年会議所がメンバー一人ひとりの居場所となります。その居場所は自分以外の他者の幸せを願い、その実現に向け行動する原動力となり、利他の精神と行動力を兼ね備えたJAYCEEで溢れます。

拡大は社会的インパクトに直結します。本気でまちと人に向き合い活動を行っている私たちの姿を見た人が仲間になって活動するということは、人の繋がりを拡げ笑顔溢れる社会への第一歩となります。2023年度はすべてのメンバーで会員拡大を行い8月までに200名の会員数を実現し、相模原青年会議所の価値を上げ、ブランディングを高めて参ります。そして、2020年から新型コロナウイルスの感染症の拡大により、すべての例会や委員会がWEB開催になったことから、その重要性が希薄化し、参加率が低迷しております。それが当たり前になることは、将来、相模原青年会議所の衰退となります。2023年は例会や委員会の魅力や重要性をメンバーに伝え出席率を最低70%まで引き上げます。

メンバー数が多くても参加するメンバーが少なければ組織の力とはなりません。福沢諭吉の言葉で「一身独立して一国独立す」という言葉があります。青年会議所に置き換えるとメンバー一人ひとりが成長し、JAYCEEとなることで、地域にインパクトを起こす組織となるということです。青年会議所での活動により一人ひとりの意識が変わり、行動が変われば地域の笑顔を創り出せる組織となります。2019年に作られた拡大中期ビジョンの達成により、200名近くのメンバーが所属する大きな組織へとなりました。この好機を活かしまちや人にとって必要不可欠な組織へと成長して参ります。

入会間もないメンバーには神奈川ブロックや近隣LOMの研修プログラムに参加し、青年会議所の基礎を学び、アクティブに活動できる環境を整えます。新たに入会したメンバーが意欲的に取り組む姿は長年在籍するメンバーの心に火をつけ、行動をおこす起爆剤となるでしょう。今年度もこれまで相模原青年会議所を支えてきた22名のメンバーが卒業します。卒業生の経験や思いやりと情熱をしっかりと継承し、次の世代へとバトンを引き継ぎ、相模原青年会議所が脈々と繋いできた歴史を新たに重ねることで5年、10年先もまちと人に対して本気で向き合う相模原にとって必要不可欠な組織となるのです。

相模原には地域文化や特産品など誇るべきものがあるにもかかわらず、地域の魅力を活かしきれていないのが現状です。

まず私たちが魅力をしっかりと理解し、相模原プロモーションとして市内外、国内国外に発信し、相模原を知ってもらうことは、相模原ブランディングの確立に繋がります。世界へ拡散する工夫を行い、国内、国外の人が相模原をどう見ているのかを知ることは新たな魅力の創造につながる一歩となります。

いかに素晴らしい事業を構築し、まちの魅力があったとしたとしても地域の人や、市外の人に認知されなければつながりを得ることはできません。HPやSNSが普及し、簡単に遠くの人まで情報を伝えることができる時代になりました。今年度は、相模原市民の方に相模原青年会議所の認知度を調べ、私たちの運動がどの程度届いているかを検証します。そして、相模原青年会議所の認知度を向上させるためにキャッチフレーズを考え、発信していくことで共感を生み出し、地域へのインパクトをより大きく起こせる広報を行ってまいります。ただ一方的に発信するだけではなく、受け取り側が求めていることを的確に伝えることで、効果的な拡がりを創ります。

2013年から相模原青年会議所では、サポーターズという市民や賛助企業との連携を構築してきました。しかし、近年では、一方的な発信になっており、サポーターズからの例会や事業参加などが見込めておりません。そこで、市民の方と様々な事業を協働していくことが重要と考え、パートナーとして参画していただきます。それには、単にメールアドレスやQRコードの読み込みで、一方的に情報を発信するのではなく、SNSを活用し、一人ひとりとの対話を重んじること、即ち人のつながりを創ることで参加意識を育んでいきます。

そして、会員同士のつながりが希薄化している今、私たちの活動やどんなメンバーが所属しているのかメンバー自体が理解していないことが多く、それは委員会や例会の出席率にも影響している問題です。入会間もないアカデミーメンバーが相模原青年会議所の活動を理解し、発信する対内広報を行うことで組織内部の活性化となる起点にして参ります。

地域の繋がりで
未来に希望をもつ子ども達

公園から子ども達の無邪気な笑い声が聞こえ、それを見守る大人たちの笑顔。

子ども達が将来、このまちに夢を描き、自ら行動することで次の世代へつないでいく、親は地域の大人との連携により、自分の価値観や考え方を押し付けるのではなく、大きな心で子どもの成長を見守る、そんな希望に溢れる相模原を創り出さなければいけません。

昨今、子ども達を取り巻く環境は大きく変わりました。少子高齢化やデジタル化による人の繋がりの希薄化、そこから生まれる社会的孤立や学力の低下、さらには悩みを打ち明けられずに抱え込み社会から離脱していく子ども達が多く存在します。相模原市では10歳から40歳までの俗にいう「ひきこもり」の人たちが調べるだけで約3,000人、実際には5,000人を超えるといわれています。その原因は様々ですが、困った時や嫌なことが起きた時に、心から相談できる相手がいないのが大きな原因だと考えられます。子ども達が地域という居場所を創ることが今求められています。

「人と人との出会いとふれあいの場を提供すると共に、子ども達に夢や思い出を与えること」を目的とした「泳げ鯉のぼり相模川」が実行委員会の担い手不足によるもので2019年をもって32年間の歴史に幕を下ろしました。私たちは、地域の先人達が創り上げた相模原独自の文化を絶やさない気概を持ち、子ども達が未来に夢や思い出となる新たな文化を創り、融合させることで、先人達の意思を引き継いでいく必要があります。

相模原青年会議所は、過去にはS-1グランプリの3回開催など数々のイベント事業を成功させています。この経験を活かし、地域の子ども達とともに一つの事業を創り上げることは、大きな経験となることに加え、大人達とのコミュニケーションがそこに生まれます。今年、開催される第50回市民わかばまつりにて、市内外から訪れる人々に相模原の文化を伝えるとともに、子ども達の笑顔を創り上げます。さくらまつりや若葉祭りは、まちの大きな魅力の一つです。諸先輩方が築き上げた文化と新たな発想との融合は、相模原が市内外に誇れる魅力の一つとなるでしょう。

子ども達の心が折れることや誰とも関わりたくないと思う原因は様々ですが、親や大人達からの一方的な期待が重荷になり、それに答えようと頑張るあまりうまくいかないことで自分を責めるケースが多くみられます。その結果、重大犯罪に手を染めてしまうことや自ら命を絶つことを選択してしまうケースも少なくありません。実際に兄弟でどちらか片方が不登校になるよりも両方が不登校になるケースが多く報告されています。子ども達が生き生きと暮らせる人の繋がりを創るためには大人が決めたレールを走らせるようなことではなく、子ども達の成長を大きな心で見守る優しさを持たなければいけません。子ども達の心を育む運動を行う一方で、地域全体で子ども達の成長を見守る環境を私たち青年会議所が創り上げます。

次代を担う若者の地域への関心や意識は欠かせないものであり、選挙による投票率はそれを計る一つの重要な指標であります。平成31年に行われた相模原市議会議員選挙では、全体の投票率が50%を下回りました。特に10代は37%となりましたが、20歳~24歳は25%と全ての年代で最も低い状態です。これは、若者が地域に興味がない、もしくは、「自分の一票なんて」という諦めに近いことが考えられます。それに対し、神奈川ブロック協議会が毎年行っているハイスクール議会からヒントを得て、若者が自ら住み暮らす地域への関心を高めるために地域の課題を自分事と捉え課題解決をどのように行っていくか、その結果どのように地域は、より良くなるかの議論を通じ、未来は、自分達の手で変えられるという気持ちをもってもらいます。そして、行政や関係団体との連携により若者目線から地域課題に取り組む連携に繋げます。

地域をより良くする意識をもった若者の行動は大人や次の世代へ波及することでしょう。そして、4月に行われる全国統一地方選挙において公開討論会を開催し、立候補者に参加いただき、地域や国の課題に向けて具体的にどのような政策をもっているのかを知り、若者たちを中心に自分達が住み暮らす地域のリーダーを自分たちが選び、選挙に行かないと何も変わらないという意識を育みます。3区それぞれの市議会議員立候補者を各地域にお招きし、自らが住む地域の課題と目指す未来への起点を創り上げます。

物も心も
豊かになる相模原経済ビジョン

全国的に人口減少が問題となっている状況で相模原市は2022年転入超過により人口が増えました。

しかし、今後来るであろう人口減少や少子高齢化により生産年齢人口の低下など産業構造が変化することが考えられます。しかし、高齢者においては、3割の方が働けるうちは働きたいと仕事に生きがいを求めていますが高齢者の雇用に対し、前向きではない企業が多く存在します。誰もが豊かさを感じ、働きがいのある住みやすい相模原の実現を私たち地域の若者が描き、その実現にむけて愚直に取り組まなければ地域が良くなるはずがありません。

相模原市の未来は広域交流拠点都市として、リニア中央新幹線新駅設置による発展、相模総合補給廠の一部返還地における開発、緑豊かな自然、都心からアクセスのいい立地などのハード面の充実を活用し、3区それぞれの地域特性を活かしたビジョンを描き、その実現にむけて、行政、地域団体、企業とともにビジョン実現に向けたアクションプランを実践することで、「ヒト・モノ・カネ」の流入が加速し、雇用が生まれ、人々が笑顔になる好循環を創り出します。本年は、それぞれの区のビジョンを描き運動の発信の機会を設け、全力でこのまちをよくするという情熱を伝え、地域を巻き込み相模原ブランドの確立を実現します。

緑区は豊かな自然があり、多くの土地や材木や食材など多くの名産、観光など魅力があります。その反面、若者が都心での生活を選ぶことによる過疎化が進行し、林業や農業に従事する人は年々少なくなっています。例えば林業は現在約60名しかいらっしゃいません。それは経済の衰退のみならず、大雨が降った時などの災害にもつながることとなります。若者の雇用を促してもいきなり採用に繋がること見込めない状況です。まずは、市外から訪れる人を増やすために、新たな切り口から魅力を発信することで緑区に興味をもつ人を増やします。人の行き来が増えることで、経済の活性化はもちろん、地域資源の発信や循環型経済の拡がりをもたらし、地域に興味を持ち訪れるボランティアなどが増える効果も考えられます。この仕組みを創り上げることで、リニア中央新幹線の開通による発展とともに後背地域の活性化となり本当の意味での相模原の経済の中心となります。また、リニア停車駅の各地青年会議所との連携を図り、リニアが地方創生の懸け橋となる準備を進めてまいります。そして、毎年行われているSDGsアワードでは行政との連携はもちろんのこと、各区から企業を募り受賞企業のその後の発信、どんな企業でも取り組めるポイントを見つけ出すことで、アワードのブランディングにつなげるとともに、企業のSDGs推進をさらに加速させる起爆剤といたします。

中央区は行政機関が集約された相模原の中心のまちであり、企業の数も南区同様多い地域であり、経済の発展には雇用の創出も必要不可欠です。また、暑さや大型台風、豪雨災害などによる甚大な被害がニュースで取り上げられることが多くなっています。気候変動はすでに私たちの生活に大きな影響を与えるており、原因といわれている温室効果ガスの削減は、全世界規模で対処すべき課題です。日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」に挑戦し、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しました。

相模原市は中小零細企業が多く、満足に脱炭素に取り組めていない現状があります。他方で少子高齢化が進む中で、労働意欲がある高齢者や障がい者の雇用が満足に進んでいないことから、地域団体などと連携し、カーボンニュートラルを推進する人材に高齢者や障がい者の方になってもらい、企業への雇用を積極的に促します。どんな人でも生き生きと仕事や生活ができ、心豊かに暮らし活躍できるまちこそ魅力的なまちであり笑顔溢れるまちとなります。そして、その仕組みを促すための金融を絡めたシステムを創り上げることで、仕事から生きがいを見出す人々の創出に努めてまいります。また、新年賀詞交歓会では2023年の相模原青年会議所の運動を発表し、行政や関係団体の方々に感謝の気持ちを伝えるとともに、パートナーシップを図るきっかけとします。2023年の相模原青年会議所の力強さと勢いを参加されている方々に言葉だけではなく、五感で感じてもらえるような事業を行い、更なる連携の強化を図って参ります。

南区の発展は、ベットタウンとしての確立です。長きにわたり相模原の経済をけん引してきた南区ですが周辺地域の変化や環境の変化によりまちに賑わいも少なくなってきています。しかし、それを活かし、都心から40分で通える立地であることからベットタウンとして発展していくべきです。そのためには、子育て世代が住みやすい環境を整えることです。先日、文部科学省からクラブ活動の民営化が決定したと発表がありました。子ども達の成長を地域で見守る環境と、その運営を相模原市内の企業が行う流れを創ることで経済の循環の実現に向けて行動して参ります。また、今使われていない資源を活かし、子ども達が楽しめる新たな活用方法を実験的に行います。それが地域に根ざしたビジネスを生むきっかけとなれば、今後、子育て世代に魅力的なまちとなる起爆剤を創り上げます。また、他地域の同志との連携を強固にし、地域にインパクトを起こします。これまで相模原の玄関口として活性化してきた南区は、他地域との連携を活用し、それぞれの地域の発展の起点を創り、同じ商業圏での経済の好循環を生み出します。

運動の効果を
高める盤石な組織運営

組織運営とは組織の目的達成のために「ひと・もの・かね」を有効的にマネジメントすることであり、ルールの順守とガバナンスの徹底をすることにより個人との認識の相違を埋めるものです。すべての事業はメンバーの会費から成り立っており、公益社団法人としてのルールを順守することはもちろんのこと、コンプライアンスや費用対効果など効果的で適正な予算及び決算が行われなければいい事業はできません。新しいメンバーが増えた今、運営が強固なものであり、規律やルールの順守の規範でなければなりません。

市民や協力団体からの信頼を得るためにもルールを順守しながら新しい発想を取り入れ、次代に先立つ組織を創り上げます。先日行われた世界経済フォーラムのジェンダーギャップ報告書で日本は、146ヵ国中116位と先進国の中では最下位でした。さらにここ10年での上昇率がほとんどなかったことも事実です。性別に関係なく活躍できる環境を私たちがまずシステムとして取り入れていくことが重要であり、地域の課題を解決すると同時に組織の変革を実践します。また、例会とは青年会議所すべてのメンバーの意識統一を図ること、志を同じくするために定期的に集まり、同じ体験をする場であります。また、例会で得られるものは一般参加者、参加メンバー、欠席メンバーに学びのきっかけを作るものであり、機会の提供であると考えます。だからこそ知識をつける場ではなく、そのテーマに興味をもってもらうきっかけとなる場でなければいけません。そのために、事業構築セミナーを定期的に行い事業の効果を高めてまいります。そして、常任理事を加えた議案審査会議を実施し、理事会には委員長だけでなく、オブザーブとして担当の副委員長も参加することで事業構築のレベルアップ、費用対効果の向上を図るとともに、次年度以降に繋がる人材育成となるきっかけをつくって参ります。

青年会議所は国際組織であり、全世界に103の国と地域に存在し、日本国内においても全国に682LOM存在します。私たちは、国際理解と全世界の発展と平和という目的を掲げており、渉外事業や出向は、相模原以外の国や地域との民間外交を通じ、世界平和の実現に寄与することが目的です。渉外事業は、新型コロナウイルスの感染拡大により約2年間WEB開催が多く、今では現地で参加したことがないメンバーが50%を超える事態となっています。渉外事業で得られるスケールメリットやメンバー同士の絆を育むためには多くのメンバーの参加は必須となります。そして、全国から集まる同志との出会いがあり、全国規模で行われる事業に参加することで大きな視野が養われます。そして、メンバー同士の絆が一層深くなる機会でもあります。

本年度は、渉外事業に多くのメンバーで参加し、仲間との強い絆と大きな視野を持ち、今後の活動により一層深みを持たせることへとつなげてまいります。また、本年は、姉妹青年会議所の韓国釜山海雲台青年会議所との交流が始まり41年目となります。先輩方が築き上げたこの関係は国家間の関係を超越した民間外交であり、青年会議所でしか成し得ないことです。新型コロナウイルスの感染拡大により、直接的な交流ができていませんが、交流の再出発を遂げ未来へとつなげてまいります。相模原青年会議所として、日本青年会議所をはじめ神奈川ブロック協議会へと数多くの出向者を輩出します。そのため、これまで同様に多くの学びを得る機会をいただくこととなります。出向は、自己成長に繋げることができる最良の機会であり、LOMでは経験し得ないスケールメリットを活かした活動を通して、視野の広がりや他地域の同志との出会いがあり、これまでも多くの出向経験者が今日の相模原青年会議所の発展に寄与してきたように、出向者は自己成長のみならず、そこで得た経験をLOM益や地域益として還元する意識を常に持ち、果敢に挑戦し続けてもらいます。輩出LOMとして常に緊密な連携を図り、出向者にとっても誇りに感じられる支援を行います。各種大会や諸会議における運動意義や目的を今一度明確にすることで、メンバーの動機付けを図り、フォーラムやセミナーへの積極的な参加を促してまいります。そして、2011年の東日本大震災から絆を深めてきた大船渡青年会議所との関係をより深くし、内陸部にある相模原青年会議所の発展、地域交流や意見交換を積極的に行います。

私たちは、会議からすべてが始まる団体です。本会の最高意思決定機関である総会では会議設営一つとっても隅から隅まできっちりと設営されていることで、各委員会の見本となり、厳格なものとなります。上程する今年度、次年度理事はメンバーの代表者としての自覚を持ち、参加者の意識を変えるほどの凛とした姿で上程してほしい。参加するメンバーは、組織の方向性や方針を理解し当事者意識をもって参加してほしい。そして、先輩方がこれまで積み上げてきた事業を知り、事業構築に活かしてもらうために、過去のアジェンダ、議案書をすぐに参考にできるシステムを創り上げます。

先輩方の経験を活かし今度の事業に活かしてもらいたい。相模原青年会議所が地域から信頼され必要とされる組織である第一歩は運営であり、総務です。外への発信も重要ですが内部の健全で透明性のある組織運営があって初めて地域から必要とされる組織となるのです。私たちの活動は常に社会の課題解決をするために、メンバーや市民の方々の意識を変えていきます。そして、仕事や家庭との両立を行いながら本気で活動に取り組まなければいけません。しかし、市民の方々やメンバーの意識を変える前に一番近くにいる家族の理解は得られているのでしょうか、まずは身近な人たちに活動を理解、共感してもらうことで、相模原青年会議所活動の一番の理解者でファンになってもらわなければ市民の人々の意識など変えられるはずがありません。メンバーと家族も交流会を実施し、普段私たちの活動がどんなことを行っているのか知ってもらい、家族や会社の人達が一番のファンであり支えとなる人の繋がりを創り上げます。

未来を創る人の繋がり

まちに活力が生まれ、そこに心を寄せる人が溢れる状態、即ち物も心も充実して、誰もが未来に夢を描けるまちとなります。

そのきっかけは多種多様であり、人によっても変わります。

私たち相模原青年会議所は、今はもちろん、5年後、10年後も活動を通じ、まちと人に向き合い本気で行動することで地域にインパクトを与え続ける団体でありメンバーの成長を年間通じて促す事業を行い続けなければいけません。その一つに諸大会誘致は全てのメンバーの成長に大きく影響し、組織力の向上の起爆剤となります。過去に神奈川ブロック大会や関東地区大会を誘致してきた私たちですが、在籍年数の平均が約4.1年ということから大会を経験したメンバーは減少しています。更に、新型コロナウイルスの感染拡大によりWEB開催の事業が中心となったことから、その体験を満足に伝えられていない現状があります。

今一度原点回帰の精神で今後の大会誘致を検討してまいります。この経験は未来に文化として受け継がれる大きな一歩となるでしょう。また、女性会員が全体の10%を超えました。男性であろうが女性であろうがこのまちを良くするために全力で活動できるために環境を整えてまいります。そして、例会出席率向上に向け、LINEなどの便利な手段に頼るのではなく、メンバー同士が直接会い、向き合い、話し合える関係を全力で創り上げて参ります。

大きく時代が変化している今だからこそ、何が必要で大切にするべきことは何なのか今一度、先輩方が歩んできた57年の歴史の軌跡を紡ぎ未来に奇跡をおこそう。

おわりに

未来を創り上げるのは決して容易ではありません。デジタル化が加速し、便利になってきた時代ですが、他方で顔を合わせることが減り、心が伝わりにくくなってきている今だからこそ人の繋がりを大切にすること。結果を出す、変化を恐れず挑戦する、志を成し遂げるために泥臭くかけまわる、ある意味時代に逆行することが今必要です。それを率先して実行できるのは青年会議所でしかありません。青年にしかできない発想を持ち青年にしかできない行動力で今を全力で駆け抜けよう。

未来を描き実現させよう

変化を恐れず行動しなければ何も変わらない

できるかできないかではない

私達がやらなければ誰がやる

すべては縁が原動力となる

第58代 理事長 署名