はじめに
青年会議所には地域のために前向きに行動する青年が集結しており、仕事や価値観が異なる出会ったことのない人でも、ともに活動をする中で互いを認め合える新たな経験をすることができます。
また、私の幸せを願ってくれる人達の優しさと、成長を願ってくれる人達の厳しさが困難な状況を打開する力となり、私自身も人生をより良くできると願うことができるようになったのです。

新型コロナウイルス感染症の蔓延により、行動のあり方や働き方など社会は大きく変容しました。
しかし、私たちが住まう相模原は、軍都計画による相模原都市建設区画整理事業を契機とした当時の日本最大規模を誇る相模原町への発展や、戦後の製造業を始めとした工場の積極的誘致による内陸工業都市としての発展、そして現在は広域交流拠点都市として更なる発展を遂げようとしています。そこには先人たちの数多くの挑戦があり歴史が比較的浅い相模原は、裏を返せば時代とともに変革する挑戦の精神が宿ったまちであると言えます。大きく社会が変化する今だからこそ、私たちは事業や運動を展開し、家族・会社・地域が優しさに包まれ、幸せが溢れるために諦めずに行動する必要があるのです。相模原に人が集まり、地域経済は新たな価値を生み出すことで活性化し、子ども達が自ら未来をつくり出す力を学び、人々が助け合うまちとなる。そんなシビックプライドに満ちた、人々から選ばれる地域に相模原を発展させたい。私はそう願っています。私たちJAYCEEは、青年らしく前向きに挑戦することを地域から期待されています。私たちが行動することで人の心を動かし新たな一歩を踏み出す勇気を与え、未来を変える大きな力を生み出すのです。

 

幸せを願い諦めずに行動しましょう。

 

私たちの大切な家族・会社・地域をより良くするために。

 

 

未来を変える人材開発

 

相模原青年会議所は、2008年よりアカデミー委員会を設置し、年間を通して入会の浅いメンバーがJCIの理念や使命を学び、運動に対する目的を明確に捉えられる人材となるシステムを構築するために、アカデミー研修を実施してまいりました。JCプログラムなどを活用し、入会の浅いメンバーにいち早く青年会議所の活動に一歩を踏み出していただくことで組織の活性化につなげます。

しかし、私たちは個々が社会に対してより良い変化を生み出す人材となり、運動を通して社会にインパクトを与えていかなくてはなりません。そのために、リーダー開発プログラムを構築し、相模原を牽引していくことのできる人材を増やす必要があります。リーダーに必要な指導力、人間力、行動力などあらゆる要素の知識を学ぶだけでなく、同じ時代同じ場所で出会った同志と日々の運動の中で切磋琢磨しながら行動し、理事やスタッフなどそれぞれが掴み取った役職や役割の機会で余すことなく実践することで知識を己のものへと昇華させます。1950年より受け継がれた修練・奉仕・友情の青年会議所の三信条をもって行動をすることで自らが無意識のうちに引いてしまっている自分の限界を一歩でも超え、メンバーが地域の未来を変える力となることが相模原青年会議所の価値となり、拡大中期VISIONで目指す人が自然と集う組織の構築へとつながります。人材開発と地域の発展との好循環を生み出し、シビックプライドが満ちた中で全ての人が支え合い、パートナーシップを活かして社会課題に取り組みながら地域経済を活性化することで、優しさに包まれる幸せ溢れる相模原を創造し、明るい豊かな社会を実現するのです。

拡大は一人からできる市民意識変革運動であり、全員拡大・全事業拡大は諦めずに行動するリーダーへの近道となります。まだ見ぬ青年たちを発掘し、幸せを願い行動することで入会へと導き、アカデミー研修やリーダー開発プログラムの中で意識変革をしていただくことが、その姿を見た人の更なる一歩を踏み出すきっかけとなります。そして、その繰り返しが組織の課題であった例会や委員会の出席率を上げ、除名・退会率を下げることにつながり、それぞれのまちで活躍するリーダーが未来を変えていくのです。また、日本青年会議所には40歳で卒業という鉄の掟があり、卒業があるからこそ新しい活躍の機会への挑戦を生み出し、どう卒業を迎えるかを考えながら行動することができます。本年も多くの青年が卒業し新たなステージへと旅立ちます。一人ひとりの歩んできた道程での経験や想いを残された者が受け継ぎ、次代へと継承していくための場をつくります。そして、長年培ってきた町田青年会議所・多摩青年会議所との絆は、それぞれのひとづくりとまちづくりの現状や想いを知り、更なるパートナーシップ関係を構築するために交流することが、それぞれの地域の課題に対して行動するきっかけとなります。

 

 

共生の心から優しさに包まれる地域社会

 

優しさに包まれる幸せが溢れる地域には、まちのことや他人のことに関心を持つ人がより多く必要です。2020年に実施されたシビックプライド調査において、相模原市は関東・関西151自治体中78位という結果でした。シビックプライドはまちに対して愛着や誇りがあるかを示す指標ですが、歴史が浅く名所や名産が多くはない相模原にとっては人のつながりにこそ可能性があります。2021年には、将来も活き活きとしたまちであり続けるために「さがみはらみんなのシビックプライド条例」が制定されました。市民の誰もが相模原に誇りと愛着を持ってもらうために「ヒト・モノ・コト」をかけ合わせて新たな価値を創出し、市民が自らシティーセールスを行うことができるようになることでシビックプライドの向上へとつなげます。そして、シビックプライドに溢れたまちに人は集まり、すべての人が自らの人生をより良くできるという希望をもった幸せを感じられるまちへとなるのです。

相模原市は小中学校で実施された全国学力テストにおいて、2018年より政令指定都市の中で最下位となりました。令和5年度までに整備することとしていた学習用「1人1台端末」の計画が変更されたように、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための緊急事態宣言による行動の制限は、デジタル化を加速させ、相模原市はGIGAスクール構想により、教育現場ではICTの活用がすでに始まっています。今こそ学力への大きな転機となる機会がきています。ICTの活用は、教育における長年の人手不足解消へのきっかけとなるだけでなく、今までのリアルでの教育だけではできなかった新たなつながりがデジタルでは容易となります。私たちが、遠くにいるJCメンバーとデジタルを活用してつながっているように、青年会議所の活動で培ったネットワークを駆使することで、子ども達も相模原にいながら、海外や全国の多様な人との交流する機会がつくれるのです。子ども達がSDGsに関心を持ち、課題を自ら掘り起こし、地域の人や企業と連携して解決していく経験が課題解決力を育み、行動することで何かを変えることができるということに気づかせることが、未来を自らつくり出す、より力強く逞しい人材への成長につながります。そして、デジタル社会が進む中でも、やはり人とのつながりの体験こそが優しさを育むことができるのです。日々進化するデジタルを活用する力を学び、人とのつながりの中で人への優しさや厳しさを感じ、社会を生き抜く強さを育むことが子ども達の幸せを願う私たちの責任なのです。

スポーツの力は、2021年に開催されたオリンピック・パラリンピックでも示されたように、大会への興味や関心を高めるだけでなくスポーツの意義や、国際、多文化、共生社会への理解を深めるなど、多面的な教育的価値を持つことにつながります。勝敗という目標に向かって全力で取り組むことだけでなく、様々なできごとが人との助け合いの中で成り立っていることを学び、思いやりを育む機会をつくり出す必要があります。

相模原は津久井やまゆり園で起きた、障碍者施設殺傷事件があったにもかかわらず、共生社会の認知度調査において、共生社会について「知らない」の回答が33.7%という現状があります。また、日経連ダイバーシティ・ワーク・ルール研究会報告書において「多様な属性や価値、発想を取り入れ、環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業の成長と個人の幸せにつなげる戦略」として定義されたD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)が自治体や企業において推進されているように、私たちは誰一人として同じではなく、お互いを認め合わなくてはなりません。そのために社会において、それぞれが自分のできることで他人のできないことを補い、誰かの困難な状況を支える力となることで共生の心が生まれ、優しさに包まれる地域につなげてまいります。

 

 

社会に希望をもたらす経済活性化

 

現在の人による消費の大きさは地球の生産量に対して1.7倍に値していると言われています。また、超過している消費分は森や海などでの乱獲や、大量の二酸化炭素を排出することで未来から先借りしている状況であり、2030年には地球2つ分の資源が必要になると言われています。相模原は首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の全線開通がなされ、2027年の開通に向けてリニア中央新幹線の新駅設置による橋本エリアの開発が行われており「ヒト・モノ・コト」の流れが大きく変わり、広域交流拠点都市としての発展を予感させます。しかし、ベッドタウンの一面もある相模原は2065年には人口が53万人となる予想がされ、他の地方都市と同じように人口減少による生産年齢人口の減少が課題となって相模原市においてもサーキュラーエコノミーへの取り組みが実施されましたが、相模原に今ある「ヒト・モノ・コト」の資源を生かして循環させ、将来のリニア中央新幹線の開通によって新たに開発される資源と相乗効果を生み出し、新たな価値を生み出す企業が増えることにつながるのです。また、新型コロナウイルス感染症によって私たちの行動や働き方は変化し、デジタルの活用がより身近となりました。将来起こりうる超高齢化社会の未来に対して、デジタルの活用は私たちの経済にとって生産性の向上や雇用の促進にも大きな発展の可能性があります。しかし、デジタルを使うのも人であり、人と人、人とデジタルをつなげられる人材を育てていくことが必要です。私たち青年会議所も個々の企業も単独ではなくパートナーシップを構築し、連携することによって新たな価値を創出していく必要があります。そして、相模原青年会議所は2019年に相模原市と「SDGs協働推進宣言」を締結し、更には相模原市が2020年にSDGs未来都市に選ばれたことからも、SDGsの活用は私たちにとっても大きなチャンスであると捉え、英知と勇気と情熱をもった青年らしい視点でモデルケースを創出していくことが、市民にSDGsの意識を根付かせ地方創生へとつながります。そして、さがみはらSDGsアワードで多くの取り組み事例とともに共有し、行政との連携によって地域経済活性化の運動をより進めていくために、相模原市長と地域経済の未来について意見交換をすることで、自然と人が共存する相模原から世界共通の目標である持続可能な社会を創造するのです。

新年賀詞交歓会では賛助企業を始め、市内の多くの関係諸団体とのつながりに感謝するとともに更なる連携を呼びかけ、私たちの日頃の運動で連携して課題解決に取り組むことが地域の経済活性化につながります。そして、新しい価値を生み出し、企業や団体が連携し合うことで未来を変える力が拡がり、相模原が選ばれるまちとなり地域に希望をもたらすのです。

私たちの運動が市民から共感され拡がっていくためには、運動や活動を効果的に発信することが重要です。PRとは、パブリックリレーションズ(Public Relations)の訳であり、20世紀初頭からアメリカで発展した組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団・社会)との望ましい関係をつくり出すための考え方および行動のあり方です。現在、広報という言葉は組織の一方的な情報発信と受け取られがちであり、パブリックリレーションズが本来持っていた「よい関係づくり」という点を忘れてはなりません。ホームページや長年培ってきたサポーターズクラブ、SNSなどのツールを活用して市民から共感される発信をするとともに、より多くの会員が事業の発信だけでなく、自らの発信をすることで周囲の人に成長する姿を見せることが組織のブランディングへとつながります。そして、企画構築段階からPRの視点を重視し、ターゲットの設定やより伝わりやすくするためのキーワードやトレンドなどの技術を駆使していくことで組織だけでなく相模原の魅力を発信することが、相模原が市内外の人から認知され、選ばれるきっかけとなるのです。

 

 

人をつくる持続可能な組織運営

 

まちから信頼され必要とされる組織は強固でなくてはなりません。組織は人でなりたっており強く魅力ある組織には自然と人が集います。人の能力に左右されることなく常に質の高い環境を保ち、その環境に合わせて人の能力を高めることのできる持続可能な組織運営が人をつくり続ける組織の根底となるのです。多様な人材が集結するからこそ、個々の発想や創造力を引き出し運動の効果を最大化するための運営が必要となります。会議所としての原点である会議の質を上げるために、私たちが先人達から受け継ぎ時代とともに進化させてきた議案作成プロセスに誇りを持ち、議案上程におけるルールやコンプライアンスを徹底します。また、財務において会員や賛助企業の皆様の会費から成り立つ限りある財源が運動や運営に効果的に使われているかを厳正に審査していくことが、事業においてより高い効果を引き出します。理事会だけでなく委員会、スタッフ会議の開催方法や運営の仕方についても役割と目的を明確化し、個々の役割を全うできる体制を整えることが会員の参加意欲へとつながり、強い組織となることが私たちの運動の効果を高めます。社会のデジタル化の加速を好機と捉え、運営においてデジタルツールの導入を模索することが未来に向けた持続可能な運営につながります。そして、公益法人格を取得してから10年が経ったいまだからこそ、時代に合った私たちの活動や運動に適した法人格への移行を進めていくべきです。

最高意思決定機関である総会は、私たちの運動の成果の総括と起点の場であり運動の方向性を決める場であります。議決権を行使し、会員の意思の詰まった事業計画と事業報告をすることが次の時代へとつながっていくのです。新時代のリーダーを生み出す選挙は、覚悟を持った新たな一歩を踏み出させます。一つの行動が同志を大きく成長させ、その姿を見た人の新たな挑戦につなげる場となります。この場を特別なものとし、より高い志を持つことにつなげることが意識変革団体としての可能性をより拡げるのです。

青年会議所には4つの機会があり、その中の個人の機会と国際の機会を掴み取ることができるのが渉外事業や出向にあります。現地で感じることができるスケール感や各種式典の設営方法、他のLOMの会員の振る舞いや熱量の全てが学びとなり、相模原での活動だけでは得ることのできない新しい視点を持つことにつながります。また、新型コロナウイルス感染症によって渉外事業も状況によって変化し、現地で開催ができていない代わりに参加者にとっては各セミナーに参加しやすくもなったことから、渉外の機会を有効活用して学びへとつなげてまいります。また、組織体制の観点からも出向の機会をつくりやすくすることで、相模原を内側と外側から考える視点を作ることができるのです。

 

 

未来はつくれる

 

私たちは、相模原青年会議所の未来をつくるために、常に先を見据えながらいますべきことは何なのかを議論し続けなければなりません。単年度制が繰り返される青年会議所において57年間変わらずまちのために活動し人材を育成してきた先輩諸氏の精神を受け継ぎ、一方で時代とともに変化を伴う組織の発展を願い、ひとづくりとまちづくりが相乗効果をもたらす人材が集う組織とはどんな組織なのかを考える必要があります。そのために、LOM運動指針や拡大中期VISIONのアップデートを行い、相模原青年会議所が進むべき方向性を定めるとともに、未来へとつながる大会誘致や人材育成のための出向政策についてもあらゆる可能性を検討してまいります。そして、時代が目まぐるしく変化する社会情勢に対して、迅速に行政や関係諸団体との情報共有を行い、連携していくことで未来の相模原をつくることができるのです。

 

 

むすびに

 

行動のあり方や働き方など社会が大きく変容し、デジタル化が進んだことによって人間関係の大切さをより一層実感する今だからこそ、幸せを願い諦めずに行動する人材が増えることで、優しさに包まれる幸せが溢れる社会へとつながります。それには一歩を踏み出すきっかけとなる人との出会いや、自分や周りの人生をより良くするために行動する経験が必要であり、青年会議所にはそのきっかけが満ち溢れているのです。

未来をつくるのは私たちJAYCEEしかおりません。

家族・会社・地域の幸せを願い諦めずに行動してまいりましょう。

その行動こそが明日を変え、未来を変えることができるのです。

 

幸せを願うことが意識変革の原点となります。

 

私たちは幸せを願うからこそ行動できるのです。

 

諦めずに行動する人には未来を変える力がある。

 

さあ、人をつくろう、未来を変えよう。

 

 

※シビックプライドは読売広告社の商標登録です。

 

第57代理事長