事長所信
理事長所信
公益社団法⼈ 相模原⻘年会議所
2025年度第60代 理事⻑
八木 貴弘
はじめに
勇気があれば未来を創れる

勇気とは、課題に立ち向かう心であり、自分を受け入れ一緒にいてくれる安心と、信じて期待してくれる人のあたたかさに触れることで生まれます。人は誰でも、目の前に大きな壁が立ちはだかると身が竦んでしまいます。そんな時であっても、勇気をもらい背中を押され一歩踏み出した先に、人の繋がりと感謝の心が生まれ、大切な人を想い勇気をもって挑戦できるようになります。そして、人に勇気を届けることができる輝く人になるのです。創立から今日に至るまで、人にまちに積極的な変化を創造し未来を創ってきた相模原青年会議所には、人そしてまちに力を与え、輝かせることができる、そんな可能性が溢れています。

私は、幼少期の頃、体が弱く入院しがちで人と話すのが苦手で運動ができず、そんな自分に負い目を感じていました。内にこもりがちな私でしたが、両親は、できないことを責めるのではなく、常に私のありのまま受け入れて成長を見守ってくれました。また祖父は、地域の活動に積極的に参加して祭りなどの行事によく私を連れて行ってくれました。その中で、「良い仲間をつくれ」、「おまえならできる」と背中を押してくれました。そして友人は、いつも近くにいて励ましてくれました。私を明るく照らしてくれた両親、祖父、友人の輝きは、点と点が織りなし座標となり、私の進むべき方向を指し示してくれました。そんな人のあたたかさに触れて、一歩踏み出す勇気を持つことができたことで、ありのままの自分に自信をもつことができ、前向きに挑戦できるようになったのです。
けれども、大人になり、日々の仕事とプライベートを行き来する生活に追われていつしか挑戦することがなくなっていました。相模原青年会議所に入会した当初も、仕事の繋がりのみを考えて、知り合いがほとんどいなく、創業の忙しさを理由に積極的に事業に関わろうとはしませんでした。そんな私にも、気にかけて誘ってくれる人、真剣に叱ってくれる人のあたたかさに触れて、この人たちのようになりたいという気持ちをもって理事に挑戦しました。それからは、出来ない理由ではなくどうすればできるのかを考え、どんなことにも自分の限界を決めずに挑戦を続けてきました。その中で、身近なメンバーに勇気を届け、そのメンバーが前向きになり理事に手を挙げることができ、またそのメンバーが別のメンバーに勇気を届けて前向きになる姿を見ることができました。このように、勇気を届けることで人は一歩踏み出し、人を想い勇気をもって挑戦する人になり輝きだすことを実感しました。

人は誰もが無限の可能性を持っています。そして、誰もが自分らしく夢を描くことができます。それでも日々の忙しさに追われて、また、世の中や環境の課題に悩み、いつしか自分自身の限界値を定めてしまい、夢を描くことを忘れてしまいます。
人は最初から輝くことはできません。人から与えられる安心と期待から生まれる勇気を得て一歩踏み出すことで輝き始めます。人を想い勇気をもって挑戦する人は輝き、人を勇気づけることができます。私は、このような人を想い勇気をもって挑戦する輝く人財を輩出していきたいと考えます。また、相模原青年会議所を、お互いに支えあい、人を想う心が溢れる組織にし、挑戦が当たり前の行動に変えていきます。そして、輝きをもった相模原青年会議所メンバーが、家族・会社・地域を想い行動し、勇気を届けることでまちに輝きが溢れ、一つひとつの輝きがお互いに結びつくことで人生の道しるべとなる座標ができ、あたたかさに包まれる心の拠りどころが生まれ、夢に向かって一歩踏み出し始めるのです。

さあ今こそ、先人たちが築き上げ紡いできた相模原青年会議所の歴史に感謝し、その想いを繋ぎ、心を燃やしてひたむきに挑戦して参りましょう。 誰もが人を想い、自分らしく夢を描けるまちを目指して。

これまでの歴史を辿り、10年先の未来を描こう。文化・歴史は浅くても、時代に真摯に向き合いより良い未来に向けて挑戦をし続けてきたこのまちには無数の輝きがあり、周りを輝かせる力に溢れています。一人ひとりのもつ輝きとまちに生まれる新たな可能性を掛け合わせて、相模原が神奈川、日本そして世界を牽引する未来を描きます。そうすることで、選ばれるまち相模原が創造できるのです。

相模原市は、日本中にどこにでもある農業、生糸で生計を立てる複数の集落の集まりから軍都計画により急速に都市計画が進み、1954年、8万人が住み暮らすまちとして相模原市が誕生しました。そして、1965年に相模原市に生まれた1つの光は、より良い未来を描き力強く輝き、互いに結びつき、形を創り、市民の歩むべき方向を指し示してくれました。いつの時代も、人を想い勇気をもって挑戦する青年の姿が人の心を動かし未来を創ってきたのです。人口10万人を想定したまちづくりは、今では72万人の人が住み暮らすまちになり、首都圏南西部における広域交流拠点都市そして東京都心部への諸機能の一極依存形態から分散型の広域多核都市複合体の一翼として期待されるまでになりました。この躍進は、単に都心から近いベッドタウンだからではなく、より良いまちにしていこうと変化を恐れずに人を想い、まちを想い勇気をもって挑戦をし続けてきた先人たちの結晶であり、その精神は今でも色褪せることなく私たちに引き継がれています。

相模原青年会議所は2025年創立60周年を迎えます。60年前と比べると社会は激的に変化しました。これからは、高度経済成長に乗り人口が急増した時代から人口減少と急速な高齢化が進行する時代になります。また、大量生産・大量消費の経済活動が中心の社会構造から社会や環境の課題解決と経済活動が密接に関わる時代になります。青年会議所を取り巻く環境も、青年会議所がある時代から今では多様な主体がひとづくりまちづくりの理想を掲げ青年会議所もある時代へと変わりました。私たちの最大の価値は何でしょうか。それは、今を懸命に生きる20歳から40歳までの青年が、家族・会社・地域のより良い未来に向けて、何が起ころうとも歩みを止めず、失敗を恐れずに挑戦し勇気を届け、人々の心を動かし、その結果、かけがえのない繋がりと可能性を地域に生み出し未来を創ってきたことだと考えます。

生産年齢人口の減少、高齢者人口の上昇、経済構造の変化、公共・公益サービスの利便性・実用性の低下といった喫緊の課題に対して、青年らしい発想と培った繋がりを最大限活かして未来のありたい姿を設計し、全市民を巻き込んだ魅力ある相模原を描いて参ります。そして、まちに新たな輝きを生み出すとともに、溢れる輝きを結び付けることで多様な道しるべを生み出し、誰もがこのまちに居場所を感じ一人ひとりの挑戦を後押しできる未来を描く必要があります。そうすることで、共に支え合い、誰もが自らの可能性を信じて安心と期待を胸に挑戦できるようになり、地域への愛着と誇りが育まれ、住み続けたいと思える活力あるまちが実現するのです。

また、関係諸団体の方々からご支援をいただきながら、共働しながら、人に、まちに積極的な変化を創造し未来を創ってきた相模原青年会議所は、地域そして社会に様々な輝きを生み出してきました。誕生からこれまで支え、共働いただいた行政、関係諸団体、OBシニアそして同志への感謝を伝えるとともに、これからも、共に地域の理想を描いて挑戦する機運を高めて参ります。

そして今日に至るまで、ボーイスカウト相模原第七団の結団・育成、相模原市民桜祭りの立ち上げ、スポンサーLOMとして大和青年会議所、津久井青年会議所の立ち上げ、韓国釜山海雲台JCとの姉妹締結など、相模原青年会議所が生み出してきたこれまでの輝きを正確に見つめ直し繋いでいかなければなりません。創立から今までを振り返るとともに50年代の運動を総括し後世に語り継がれるものを残し、私たちの運動と地域に溢れる多種多様な運動を広く発信する広報をとおして各時代の輝き、地域の輝きを際立たせて参ります。
60周年という大きな節目に歴史への感謝の心と想いを繋ぎ、自分自身や家族・仕事の成長を望み、他者を信じ、一歩踏み出して、新たな繋がりと可能性を地域に生み出して参りましょう。

⼈を想い勇気をもって挑戦する⼈財育成

2018年に組織力の強化と拡大運動の両輪の実行と60周年を見据えたLOMの統一の運動として200名LOM組織構築へ挑戦する政策として拡大中期ビジョンが設定されました。そして、最終年である2023年には期中200名定員を達成しました。全国的に青年会議所の会員の減少が続いているなか、拡大中期VISIONに沿って35%拡大を達成し続けてきた事実に現れるように、成果を徹底的に求め、最後まで諦めずに挑戦し続ける相模原青年会議所が誇るマインドはこれからも承継されていかなければなりません。

しかし一方で、近年では多くの退会除名者を出してしまっている事実があり、特に入会2年以内に退会してしまう会員が退会者の中の約8割を占めています。せっかく青年会議所に入会する挑戦をしてくれたにもかかわらず、メンバーや地域とのかけがえのない繋がりと感謝の心を育めないまま去ってしまうことは組織だけではなく地域にとっても大きな損失になります。青年会議所をとおして学び成長する人が増えれば増えるほど、地域や社会のことを考えて行動できる人を輩出することができ、明るい豊かな社会の形成につながっていきます。拡大運動は1人から始められる市民意識変革運動であり、拡大こそJC運動の根源であり全員拡大をその言葉通り全員でやっていくことが必要です。さらに、先輩諸兄姉の方々と共に会員拡大の機運を高めて現役とOBシニアが一体となり全方位での会員拡大運動を展開して参ります。
2025年度の会員拡大は、期中早期に拡大目標の達成をし、人財育成と連携を取り入会後のフォローを徹底するとともに、仲間との繋がりとJCのもつ無限の可能性を体感できる機会を得られる仕組みを整え、JCに入会した全メンバーが卒業までやり遂げ、地域で活躍する輝く人財へと育てる熱意と覚悟をもって推進して参ります。

また、日本青年会議所や神奈川ブロック協議会との連携を密にとり、青年会議所の基本理念を理解する研修プログラムを実施するとともに、第一線で活躍してこられた先輩諸兄姉との交流を活性化することでJAYCEEとなる学びと人の繋がりを育んで参ります。
そして、メンバー一人ひとりが自身と組織の成長を望み、当事者意識を高めていくためにメンバーシップの意識の向上を図ることがいま求められています。未来に希望を感じ、人を想い勇気をもって行動できる人財を創出していくために、例会、事業、委員会だけではなく、メンバーの挑戦の声に耳を傾け、仲間と共に行いたいことに関しては同好会や部会等の立ち上げを活性化して、まちづくりやひとづくりを主体的に関わる機会を増やし成功体験を積み重ねていきます。

また、本年もアカデミーメンバーが卒業式を担います。卒業例会は40歳で卒業を迎えるメンバーの青年会議所での総決算の場です。何ができて何ができなかったか、何を経験できたのか、どんな出会いがあったのか。卒業生とアカデミーメンバーが卒業例会という機会をとおして、お互い同じ時間を共に過ごすことで想いを受け取り、意思を紡いでいく場とするとともに卒業生の新たな門出の背中を押して参ります。そうすることで、メンバー同士の繋がりを深めるとともに、改めて支えてもらうことへの感謝を感じ、人を想い挑戦したいという意欲を高めて参ります。

一人の勇気ある挑戦が誰かの勇気になり、自分にも何かできるのではないかと人を想い勇気をもって挑戦する輝きが連鎖していきます。そしてその輝きがまちに数多く生まれることで未来が形づくられてくるのです。拡大対象者そしてメンバー一人ひとりに寄り添い、期待をして背中を押すことで一歩踏み出す経験を積み重ね、人を想い勇気をもって挑戦する輝く人財を輩出して参りましょう。

未来に希望を抱き、自分を信じて挑む若者。その様子を温かい目で見守り、そっと背中を支える地域の大人たち。若者の挑戦に勇気をもらい一歩踏み出す人たち。若者の輝きこそまちの宝であり未来を創る原石です。

物資が溢れ、豊かな国と思われる日本でも、日本社会に希望を感じると回答とした若者は25.5%にとどまり、若者の間に社会に対する漠然とした不安が蔓延しています。そして、この相模原市においても、子どもの出生率が年々減少しているにもかかわらず、虐待・ネグレクトなどの認知件数は年々増加しており、児童相談所における児童虐待相談対応件数(全国)が10年間で約2.5倍の21万9,170件となり過去最多を更新するなか、この相模原市でも令和5年度の相談件数は3,089人と全国的な推移と同様に増加傾向にあります。そして、セーフティネットとなるはずの児童養護施設などの社会的養護の場所にも限りがある状況です。

若者がいざ社会に出て行くとき、大きな不安が襲いかかります。私にも不安がありました。みなさんにもあったと思います。それでも乗り越えてこられたのは、帰る場所があり、自分を受け入れ一緒にいてくれる安心と、信じて期待してくれる人のあたたかさ、心の拠りどころがあったからではないでしょうか。今こそ、輝きをもった相模原青年会議所メンバーが若者の背中をやさしく押して、勇気をもって挑戦する若者を増やしていきたい。地域の大人の力を結集し、学校・家庭・施設以外の心の拠りどころとなる居場所を地域に創り、社会で生き抜く力を得るための糧となる多様な体験活動や遊びの機会をこのまちに住み暮らす人と共に創り上げることで、子どもたちの自己肯定感や自己有用感を高めて参りましょう。

私たちの暮らしというのはすべてといっても過言ではないほど、国政・地方政治によって決められています。例えば、携帯電話の値段設定、電気料金、さらには公園やゴミ出しのルールについても政治によって決められています。つまり政治を知る、参画するということが 私たちのリアルな生活に関心を持つということに他なりません。しかしながら、2016年の選挙権年齢の引き下げに関する法改正、そして2022年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられ、若い世代が政治に関心を持ち、積極的に政治に参画することが期待されているにもかかわらず、10代から20代の若者においては他の年代と比較して投票率は低い水準にとどまっています。よくわからない、投票しても政治は変わらないと目を背け、まちへの興味関心が薄れてしまわないように、私たちこそが声なき声の代弁者として若者の主張に耳を傾け、行政そして地域へ届けていかなければなりません。

本年も3年目となるジュニアハイスクール議会を実施し、まちの課題や社会問題、環境問題などを同年代の仲間と共に学び、体感し、導き出した答えを市政に投げかける体験をとおして、中学生のうちから政治そして地域を身近に感じ、社会参画意識を高めていき、住み暮らす一員として当事者意識をもって社会課題解決に取り組むリーダーとなる人財を育成して参ります。そして、3年間の集大成の場を用意し、その成果、課題を踏まえて産官学民報一体となってより良い未来を描くことで、若者が安心を感じながら成長し、挑戦を後押しできる環境を確立していきます。

若者の輝きは人に勇気を届け、まちに活力を生みだします。若者の挑戦を支えまちに輝きを届けることで、関わる人があたたかさに包まれ人を想う心をもち一歩踏み出し始めるのです。すべての若者が輝ける居場所を創り、まちへの当事者意識を育むことで未来への希望が溢れる相模原を実現して参りましょう。

まちを行き交う人の顔はどこか誇らしげで、人が集まる場ではいつも挨拶の声と笑顔が溢れている。まちには差別や偏見はなく、年齢、性別、障害、人種、国籍、信条の違いを尊重し合い誰もが自身の無限の可能性を信じて、人を想い、まちを想い挑戦を続けている。

今年発表された将来人口推計によると、相模原市は2022年をピークに自然減が社会増を上回る人口減少社会に突入したことが判明しました。総務省が発表した住民基本台帳に基づく2023年の人口移動報告では転入者が転出者を上回る転入超過を示しており、転入超過数では全国1719市町村のうち11位の2321人の転入となっているものの、一時期のドーナツ化現象から都心回帰の傾向が強まっており30歳前後の近隣市への転出が増えている状況です。相模原市の人口増加が頭打ちになった今、選ばれるまちとして地域に愛着と誇りそして共感を育み、住み続けたい、人に勧めたいという意識を醸成し人口減少に歯止めをかけて行くとともに、一人ひとりのもつ可能性に着目をしてそれぞれの挑戦を支え、誰もが自分らしく夢を描ける相模原を目指していく必要があります。

2024年に株式会社読売広告社が公表したシビックプライドランキング調査2024では、相模原市は対象の151自治体中71位となり、2018年の時の149位と比較すると大きな躍進を続けています。また、相模原市は、市内に大学・専門学校が多く有し、18歳から22歳にかけて大学生世代の転入超過が突出しています。そして、相模原市は令和5年8月時点で、14の大学と包括連携協定を締結し教育・人財育成・まちづくり・産業振興等で共働した取り組みを行っています。豊かな自然と水源、都市機能を併せ持ち、若者が集まってくるまちの強み、特徴を活かして、相模原市内にある大学・専門学校、包括連携協定を締結している大学及び学生と共働して、若者が相模原市を知る機会をつくり、若者の想像力、行動力を活かしたまちづくり運動を行うことで、まちへのファンを増やして関係人口、交流人口の増加につなげていき、次代を担う相模原市で活躍する人を増やして参ります。

自分らしく夢を描き、人を想い勇気をもって挑戦する人の目は輝きに溢れ人を惹きつけます。私はそんな輝きが溢れる誰もが自分らしく夢を輝けるまちを実現したい。しかしながら、この相模原市においても女性や外国人、障害者、高齢者、性的マイノリティーの方が社会で活躍できる機会と環境がハード面ソフト面共にいまだ十分に備わっているとは言い難い状況です。近年では、AI等の新技術の台頭により新しい産業や多様な働き方、生活スタイルが生み出されており、また、相模原市はロボット産業特区にも選ばれ環境に配慮しながら生活を支援する新技術の活用を促進していくことで、誰もが活躍できる大きな可能性を秘めています。共生社会の実現のためには、困っている人に対して配慮する保護することも大事ですが、人々の直感に訴えかけ輝ける場を創出していくことこそが私たちがやるべきことであると考えます。誰もが輝けるまちのモデルケースを創り上げ、市民のくらしをより良くするとともに、日本そして世界へと発信して参ります。

新しい発想や最先端の技術を果敢に取り入れ、青年らしい柔軟な発想で生きづらさや障害と感じることがまだまだ多くある現実を変えていかなければなりません。誰もが生きやすい共に生きるまちづくりなしに明るい豊かな社会の実現はあり得ません。地域に留まらずに日本、世界へと視野を広げて、年齢、性別、障害、人種、国籍、信条の違いに囚われない力を身につけてすべての人の幸せを想い行動して参りましょう。

多種多様な人が集まり会員の連携と指導力の開発を図る組織として、伝統と規律を重んじる厳しさと、メンバー一人ひとりの成長を想い挑戦を支えるやさしさを兼ね備える組織運営。温故知新の精神をもち、変わることを恐れずに挑戦し続けることで、変わらないものが磨かれ輝きを増していく。

青年会議所は会議からすべてが始まる団体であり、諸会議の質を高めその会議からうまれる事業や運動の質を高めていくことで、各委員会が執り行う事業・運動の効果を最大化していくことができます。諸会議においては一切の妥協を排し、質の高い会議と意思決定が行われるよう準備を徹底し事業全体の質の向上を図ること、つまり凡事徹底することが必要不可欠になりますが、メンバーの挑戦を支える組織運営として、常により良くなる組織像を考え新しいこと、やったことないことを恐れずに挑戦をし続け、攻める運営をとおしてメンバーへ勇気を届けていくことが求められます。変化の多い時代の中で、選ばれる組織であり続けるためには、時代の開拓者として大きな視点を養い地域にインパクトを起こすための強固な基盤を整えるとともに、多様な考えを受け入れ、お互いを支え合い誰もが活躍できる環境の構築に向けて変革を恐れずに実践し、強さとしなやかさをもつ組織にすることで、メンバー一人ひとりの輝きをより一層際立たせることができるのです。

事業計画書、決算書の質、運動のインパクトを高められるかどうかは諸会議の起点となる議案審査会議にかかっているといっても過言ではありません。議案構築にあたっては理事会に照準を合わすのではなく、議案審査会議までに今できる最大のものを提示できるようにスケジュール管理と事前の意見出しを徹底して参ります。そして、それを審査する議案審査会議は、全メンバーの大切な会費を預かる負託を受けた身として、全身全霊で議案に向き合う必要があります。コンプライアンスの徹底、適正な会計処理はもとより、運動の効果が最大化されているかの審査において一切の甘えを排し真剣勝負でお互いの信念をぶつけ合うことで議案の質が高まり、地域にインパクトを与えられる運動を創り上げていくことができるのです。
そして、総会は当会議所の最高意思決定機関です。地域を牽引する青年経済人が集まる組織として、それにふさわしい覚悟をもった上程を支える設えをし、私たちの運動の成果の総括と起点をメンバーへ届け議決権を行使することが組織の更なる成長に繋がっていくのです。

理事長や理事の選出は地域に新たなリーダーが生まれる瞬間であり、その人の生き様や価値観、理想をメンバーそして地域に届ける場でもあります。厳粛さと緊張感を保ちながらも、不安と期待を胸に話すメンバーの背中を優しく押して、支えていくことが立候補者の成長を加速させ未来を牽引する輝く人財を生み出していくことに繋がります。また、お互いの価値観や考えの違いをぶつけ合い地域の未来を語らえる場を提供することで、自身そして組織を見つめるきっかけとするとともに、勇気をもって挑戦する姿をメンバーが見ることで、候補者から勇気を受け取り多様な価値観に触れ新たな気づきが生まれ、お互いを支え合い、人を想う心が溢れる組織にして参ります。

2015年、消滅可能性都市が取り沙汰されていた時代、選ばれるまちとなるために必要なひとづくり・まちづくりの指針として50年代LOM運動指針が創られました。また、2018年、組織力の強化と拡大運動の両輪の実行と60周年を見据えたLOMの統一の運動として200名LOM組織構築へ挑戦する拡大中期ビジョンが設定されました。これらの指針ては、私たちが運動を推進していくうえで拠り所となり道しるべとなっていました。

60周年という節目を迎える今、次の10年に向けて、未来への指針となる創立60年代LOM運動指針の策定及び組織力向上中期VISIONの策定をする必要があります。
明るい豊かな社会の実現にはそれを担うひとづくりが最も重要です。そして、ひとづくりこそまちづくりの原点であることは昔も今もこれからも変わらない価値観です。
お互いを支え合い、人を想う心が溢れる組織が、家族・会社・地域を想い行動し、行政や関係団体、市民を巻き込み勇気を届けていくことで、関わる人があたたかさに包まれ、人を想う心をもち一歩踏み出し始め、まちに活力が溢れ誰もが自分らしく夢を描ける社会を創り上げていくために、残り5年となったSustainable Development Goals (SDGs)の目標達成に向けて運動をよりいっそう推進するとともに、SDGsの先を見据えた2030年以降のひとづくり・まちづくりのモデルを創り、地域に示していかなければなりません。第二次世界大戦後の深刻な物不足から大量生産・大量消費を軸に物質的、経済的な豊かさを求めた時代から、精神的な豊かさを求める時代へと変わり、持続可能な社会の開発から個人そして社会の幸福を求める時代へと移り変わりつつあります。幸福とは、心が満たされることであり、人との心通う交流から生まれることは今も昔も変わらない真実です。近年、ウェルビーイングという言葉が注目されているこの時代、このまちを生きる青年として、個人そして社会の幸福とは何かを考え、未来への指針を創り上げて参ります。

時代は今、先行きの見通しが困難な変化の激しい時代と言われています。人工知能が人間の脳を凌駕するシンギュラリティ、AI等の新しい技術の急速な発展、誰もが予測できなかった世界中のパンデミック、出口の見えない民族紛争、内乱、国同士の戦争、所得の格差、貧困、差別。このようなことがニュースで流れる度に、自身に無力感を抱き、自分には関係が無いこと、遠い別世界で起きていることと思い、人は目を背けてしまいます。
しかし、地域、社会の課題は、誰かが解決してくれるものなのでしょうか?やりたい人、好きな人に任せておけば良いものなのでしょうか?私は決してそうは思いません。

人は、人との関わり合いの中で生き、生かされています。自身や大切な人の真の幸せを望むのであれば、行動する目的を自身から大切な人へ、そして地域、社会、世界へと広げその幸せを考えてより良い未来へ変えていかなくてはなりません。
そして、変動的で不確かで曖昧というのはまさに青年の存在そのものであり本領であり、未来を創る原石が詰まっています。今こそまさに、真正面からぶつかり挑戦する青年の力が求められています。

青年会議所のひとづくりは人との繋がりをつくるだけではありません。これからの時代に求められるリーダー像を描き、周りを照らす光となり進むべき方向を指し示す人を生み出していかなければなりません。また、青年会議所のまちづくりは単なる奉仕活動ではありません。1つの問題に対しての根本的な治療であり、未来への新しい可能性をつくり出してく運動でなければなりません。

ここには、あなたの成長、幸せを心から期待する多くの仲間が溢れています。

できるかできないかではない。
勇気があれば何でもできる。勇気があれば望む未来を創れる。
私たち一人ひとりが輝くことで、まちに輝きが溢れていく。

自身の成長と家族、会社、地域の幸せのために
共に一歩踏み出そう。共に未来を創っていこう。

※シビックプライドは読売広告社の商標登録です。
2025年度理事