理事長所信

公益社団法人 相模原青年会議所
2020年度  理事長所信
第55代理事長 市川 雄士(いちかわ ゆうじ)


【はじめに】

「不可能を可能にすることはできる。」

みんなやればできる。
今できなかったとしても、明日できるようになればいい。
明日できなかったとしても諦めずに挑戦し続ければいい。
いつか必ずできるようになる。

未来のことは誰もわからない。
自分の足で踏み出した一歩だけが、未来をつくる。
未来は、自分でつくるものだから。

青年会議所は青年により良い変化を与え、発展・成長の機会を提供してくれる。
まずはやってみよう。新しいことに挑戦しよう。


【未来の可能性をもった関東地区大会】

私たちは第68回関東地区大会相模原大会という、千載一遇のチャンスを掴みました。関東圏の人口4328万人(日本人口の約35%)、地域総生産約200兆円(国内総生産の約40%)を持つ関東地区内158青年会議所の同志が、相模原市に集結します。まずは、今後の相模総合補給廠返還区域の活用とリニア中央新幹線の新駅設置、首都圏・中京圏・関西圏の三大都市圏が約1時間で結ばれるスーパー・メガリージョンなど、相模原市の未来の可能性を関東に発信し、関東地区の長所や課題を共に学び、共働することで解決の可能性を模索してまいります。そして、日本経済を牽引する関東地区の責任と誇りを持ち、未来への可能性を与える大会を構築します。また、関東地区大会に挑むことができたのも脈々と受け継がれた歴史と伝統、先輩諸氏のおかげです。55年の軌跡を辿り携わっていただいたすべての人に感謝を伝え、未来の可能性を創造できる機会を提供します。


【つながりをもった関東地区大会】

相模原青年会議所、市民、行政、企業、団体が、心のつながりをもち、共に関東地区大会を開催することで、地域により良い変化を与え、地域に興味関心をもつ市民を増やし、郷土愛(シビックプライド)を醸成します。そして、関東地区内の各青年会議所との交流や各地の特色を共有できる場を提供し、関東との新たなつながりを共創します。また、日本青年会議所、関東地区協議会、神奈川ブロック協議会とつながりをさらに深め、相模原青年会議所メンバーにより良い変化を与え、成長と発展の機会につなげます。そして、先輩諸氏とのつながりをさらに深いものにし、歴史と伝統を学び、現役、先輩諸氏がスクラムを組んで大会に臨んでまいります。また、町田青年会議所、多摩青年会議所との合同事業においても、関東地区大会を機会に、深いつながりをもつ仕組みを共創します。


【地域を共に育む】

今、世界には環境、貧困、人権、平和、開発といった様々な課題があります。これらの未来を担う子供たちと私たち責任世代も「地球規模で考え、地域で行動する(think globally, act locally)」を身につけ、課題解決につながる新たな価値観や行動を生み出す必要があります。2020年、持続可能な社会づくりの担い手を育む教育、ESD「持続可能な開発のための教育」が始まります。この絶好の機会に我々が中心となって、学校、家庭、地域の様々な人とつながる機会を与え、持続可能な社会づくりの担い手を育みます。また、地域の大人が、住民相互での支えあいの関係を築き、子どもたちを見守る地域の担いを率先して行動する人材も共に育みます。さらに、各所が持っている有力な情報の共有と我々の政策の発信を機にさらなる共働とさらなる感謝につなげます。そして、市民、行政、企業、団体との協働事業においても、積極的に参画することで、地域を共に育む仕組みを広げます。


【地域を共に創る】

関東地方沖でマグニチュード(M)7~8の大地震が今後30年以内に起きる可能性は90%程度の確率で発生すると予測されています。2018年、相模原市、社会福祉法人相模原市社会福祉協議会及び相模原青年会議所は、災害時における相互協力に関する協定を締結しました。命は何よりも大切で尊いものです。その命を守るために、私たちメンバーが日ごろから率先して、発生に備えた安全対策と地域のつながりを創り、市民一人ひとりの防災意識を高めます。また、企業のBCP(事業継続計画)の普及推進を行い、地域と企業のつながりを創り、防災活動などの参加、防災支援を推進します。そして、市民、行政、企業、団体が一体となった自助・共助・公助の地域防災対策を共創し、誰一人取り残さない人材と地域を共に創ってまいります。


【持続可能な地球を創ろう】

地球の資源は有限です。そして、誰一人取り残さない世界を創る必要があります。1972年にローマクラブが資源と地球の有限性に着目し、「成長の限界」が報告され、世界初の環境に関する国際会議として国連人間環境会議がスウェーデンのストックホルムで開催され、「ストックホルム宣言」が採択されました。2015年9月、2030年までに達成すべき持続可能な開発目標、SDGsが誕生しました。また、相模原青年会議所は、2019年、相模原市とのSDGsを協働して取り組む「SDGs協働推進宣言」を締結しました。今年度は、SDGsをすべての運動に取り入れ、個人、企業、団体、行政が普段から持続可能な開発目標に対しての意識を持ち、SDGsを達成する具体的取組の推進を行います。また、相模原市内においてもSDGsを広げる運動を推進し、持続可能な地域から持続可能な地球へとつなげてまいります。


【オリンピック・パラリンピックから世界平和を考える】

「世界平和のための祭典」オリンピック・パラリンピックがいよいよ2020年、東京で開催されます。世界平和を実現することは、世界各国の願いです。しかしながら、世界には今なお紛争の絶えない地域が数多くあり、戦争による1年間の死者数は、15万7千人ともいわれています。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年だからこそ、世界の現状と向き合い、世界平和について今一度より多くの市民と平和意識の普及啓発を展開し、一人ひとりが国際社会の一員として、世界平和の実現を目指した社会づくりを進める必要があります。また、2020年は、横浜でJCI世界会議が開催され、113の国から、たくさんの仲間が日本に訪れます。姉妹提携をしている韓国釜山海雲台JCとの交流をさらに深くすること、各種フォーラムに参加するだけではなく、世界組織のスケールに参画してもらいグローバルネットワークにつなげてまいります。


【発展・成長の機会を提供】

拡大は最も重要なことです。なぜならば、「より良い変化をもたらす力を青年に与えるために発展・成長の機会を提供すること。」これがわれわれ、青年会議所の使命であるからです。今、世界は凄まじい勢いで変動しており、時代に即した発展・成長の機会を提供する必要があります。ですが、人との出会いが人生を豊かにし、人は人でしか磨かれません。同年代の青年経済人が多く在籍する青年会議所に入会することで、青年会議所自体もより良い変化が生まれます。また、市内だけには留まらず近隣の様々な団体とのつながりを創り、未来の可能性を広げることも必要です。そして、全メンバーが当事者意識を持ち、青年への機会の提供を最後まで諦めずに挑戦し、拡大中期ビジョンに沿って成長・発展の機会につなげます。そして、地域企業としてもイメージアップ、地域貢献につながる事業を行うことで、新たな賛助企業を多く集め、持続可能な投資が行える財源の確保を行います。


【地域を牽引するリーダーの育成】

いつ、どこで、だれが入会しても青年会議所や地域について学べ、すぐに行動に移せる仕組みを創り、多くの発展・成長の機会につなげます。また、会議の方法やスケジュール管理、アプリなどのツールの活用方法など、ビジネスの発展につながる機会も提供します。そして、JCプログラムの活用や組織論、議案書の書き方、KPI・KGI、事業や例会の組み立て方など、理事としての成長の機会も提供して、地域を牽引するリーダーを育んでまいります。また、アカデミーメンバーが唯一、全国との関わりをもてるのは、諸大会です。京都会議、サマーコンファレンス、全国大会の渉外事業を担当することで、圧倒的なスケールと事業規模を体験することで、個人の成長につなげます。また、諦めずに挑戦し続けることで、明るい豊かな社会ができると走り続けた卒業生の想いを受けつぎ、次代につなげてまいります。


【組織の根底により良い変化を与える】

事業計画書は、事業を創る上で重要な手法です。より効果的な事業計画書を検討、作成し、根本的な課題解決につなげられるように更新します。また、公益法人として、法律・定款・規則の厳守は勿論のこと、より効果的な公益性とコンプライアンス、費用対効果の確認、時代の変化に則した新たな挑戦をします。そして、地域課題など事実を集め分析するKPI(主要業績評価指標)・KGI(目標達成指標)や5つの戦略などの手法を定着させ、地域課題の解決やビジネスの発展に導きます。さらに、新たな挑戦をするリーダーの覚悟と志を体感してもらい、次のリーダー生み出す機会を提供します。そして、公益社団法人としてのメリットやデメリットを検証し、今後の方向性の議論を進めます。また、広報に関しても、過去の分析を行い、ターゲットを明確にしたホームページやSNS、メール、チラシなど広報戦略を確立して事業の参加因数を増員し、海外の人達の事業の参加、拡大にもつながる仕組みを確立する必要があります。


【新たな挑戦をする組織運営】

大量生産、大量消費、大量廃棄の現在の社会経済システムは、ごみの大量発生を招いています。積極的にごみの減量行動を進める仕組みや、SDGsを運営にも具体的に取り入れ、各種会議、事業、例会において資源の節約、リサイクル、有効活用など、持続可能な設営につなげます。また、通常総会・定期総会を行うことで、過去の経験を引継ぎ、より良い変化を与え、誰もが挑戦ができる環境を整えていきます。そして、メンバーの大切な時間をより効果的に活用できる諸会議、理事会の準備、設営を確実に行うことで、より効果的な会議につなげます。また、財源の出し入れに関する安全性、公平性や効率性を含め、新たな挑戦をします。そして、会議の方法に関しても新たな変化を与え、会議の質、時間の効率に向けて新たな挑戦をします。


【未来を創るのは今の自分】

相模原青年会議所は、1965年9月18日、川崎青年会議所、相模原ロータリークラブの協力のもと、設立総会を行い、4月2日付で県下10番目、全国316番目の青年会議所となりました。55年の歳月が絶ち、今、世界は凄まじい勢いで変動しています。未来を創るのは今の自分です。創立50年代運動指針の改定と時代の変化に即した柔軟な運動展開と意志を次世代へとつなげ、この凄まじい変化に対応し、さらなる発展・成長の機会を提供します。失敗を恐れず挑戦する精神と行動力を伝播させ、相模原に住む人たちの声に耳を傾け、現状を分析し、新たなつながり積極的に創り、地域により良い変化を与え、心がつながり笑顔溢れる相模原を共創します。


【おわりに】

諦めずに最後まで挑戦し続ければ、
明るい豊かな社会は、いつか必ず達成されます。
誰一人取り残さない社会の実現。
持続可能な地球と世界平和の実現を目指して。