理事長所信

公益社団法人 相模原青年会議所
2021年度  理事長所信
第56代 理事長 飯塚  侑

【はじめに】

自分を信じれば、できないことにも挑戦できる。 自らの強みが誰かの役にたつことや、例えできないとしても受け入れられる心、誰かが傍にいてくれる安心感と支えられていることに気づいた瞬間に、己を信じることができ、前向きな行動が生まれます。そして、その懸命な姿に人は惹きつけられるのです。 そんな人がまた新たな人に信じて寄り添い、支えることで、人と人の間に信頼が生まれ、その思いが強い輪となります。 現在、これまでの日常生活が一変し、世界で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症は、私たちに日々不安を与えています。しかし、どんな時代の変化があろうとも、明るい豊かな社会の実現のために相模原青年会議所の運動は55年間変わることなく続いています。地域をより良く変えたいと信じるからこそ、変えることができる。 変えるなんてできないと思う人の方が多いなか、できると信じてこれまで行動してきたのが私たちなのです。 私は、JCに入会する以前、人を信じることに恐怖心があり、自分すら信じられなくなっていました。そんな私を前向きに行動させてくれたのは、相模原青年会議所の存在でありました。誰かが信じてくれるのを待つより、自分自身と向き合い、得意なことを伸ばし、苦手なことも受け入れて自分をもっと好きになろう。 今、私たちにとって必要なことはお互いを信じ合い、自らを磨きあげること。 新しい自分を呼び起こし、信頼を創り共に成長し、活力溢れる相模原を創造していきましょう。

【未知なる可能性を見出し、地域活性化の推進】

2015年、ビル・ゲイツ氏が『TED Talks』にて「もし次の疫病大流行(アウトブレイク)が来たら、私たちの準備はまだできていない」と講演し、それからおよそ5年後。新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威を振るい、日本を含めた世界的大流行(パンデミック)へと時代は一色になりました。数多くの症例が確認されていくなかで、新しい生活様式が推奨され、日々の生活や働き方は大きく変わり、私たちの住み暮らすまちも、相次ぐイベントの中止をはじめ、様々な機会が失われました。JC活動をする私たちJAYCEEも、企業経営に携わる一人の企業人です。企業の発展へとつなげるためのJC活動ですが、仕事があって初めて形を成すものです。あらゆる経済活動そのものに制限が課されてきた以上、地域経済にも影を落としてきた事実を見過ごすわけにはいきません。今こそ私たちが地域に希望を創り、活力を見出す必要があるのではないでしょうか。しかしながら、地域経済の復興は私たちだけで成しえるものではありません。これまで築き上げてきた関係諸団体とのつながりから、企業が現状に対処するだけではなく、新たな事業への投資が行える支援を目指し、地域経済の活性を推し進めて持続可能な地域につなげてまいります。ビジネス環境は激変をしてきています。デジタル技術が進むなか、私たちもこれまでの価値観にとらわれることなく、企業のデジタルシフトを考えていく必要があります。一方で地方創生を成すためには、経済の活性と雇用を創り出さなければなりません。企業を存続させ、経済活性のためにもSociety5.0の実現を見据えることで、今後の人口減少に歯止めをかけていきたいと考えます。私たちは、まちに対する愛着・誇りを醸成するためにシビックプライドの醸成を掲げ、これまでも数々の挑戦をしてきました。シビックプライドの基本思想は、まちは人であります。自分のまちに愛着と誇りを持つ人こそが、まちを良くする原動力であり、地域のために誇りを持って活動する人が増えれば、より魅力溢れるまちになると考えます。今後、リニア中央新幹線の開業により三大都市圏が約1時間で結ばれることで生まれる新たな可能性に向け、開業までの道のりをこれまでの協働により創られた信頼から、市民への誇りにつながる機会を創り出してまいります。 私たちが目指すべきシビックプライドの醸成は、どのくらいの数値を目指すべきなのでしょうか。私は、シビックプライドの数値が掲示され、市民に分かりやすく認識されることが必要になると考えます。本年度は、目標設定をしたうえで私たち独自の「シビックプライドの見える化」を図ります。シビックプライド醸成の新しい基準から未来の相模原を描き、地域活性を生み出してまいります。子どもから大人までが自分のまちを誇りに想い、地域の経済が活性される、市民に活気が溢れる相模原の未来につなげてまいります。

【地域と共に支え、信じ合い持続可能な新たな相模原の実現】

人間は、不自由や苦手なこと、悩みや苦しさを持ち、現代社会においてはストレスで心を痛め、悩みや不安を抱えている人がほとんどでしょう。多様な人たちが住み暮らす社会だからこそ、お互いに認め合い、尊重し合いながら共存していかなければならないのです。そして、認め合うだけではなく、活かされる場所を創れなければいけません。私は、お互いを信じられた先にある信頼の広がりによって創られる社会こそが、本来あるべき姿だと考えます。私たちは共生社会と唱えながらも、障がい者への理解はどのくらい進んでいるのでしょうか。当たり前にある日々の生活の中で、まだ気づけていない視点があると思います。当事者の視点で見えてくる課題を理解していかなくては、共生社会の実現へ近づくことはできません。企業においては、障がいの有無だけでなく年齢・性別・国籍の違いなどを踏まえ、多様な人材一人ひとりの能力を最大限発揮させることで、企業の価値創造につなげることができます。本年度は市長をお招きし、共生社会に向けた理解促進、あらゆる人の尊厳が守られ、多様な人材の働き方や雇用促進につながる仕組みとしての企業も認められ、推進をできる方向性を創り出し、関係諸団体と連携しこれまでの同志とのつながりから共生社会の実現に向けて、すべての人が自分らしくいきいきと暮らせる社会につなげてまいります。 新しい年度のスタートになる賀詞交歓会については、行政・関係諸団体・賛助企業・様々なパートナーの皆様にこれまで一年間の感謝をお伝えするとともに、新たに始まる青年の運動の姿を映し出し、日頃から支えてもらっている人や未来を共に信じ合えている幅広い人への運動発信をしてまいります。 また、災害が起こった際、迅速な対応を実現するためにも地域のつながりは不可欠です。地球全体での気候の変動はめまぐるしく、世界の平均気温はおよそ100年間で約0.78℃上昇しています。日本国内での豪雨発生件数も約30年前より約1.4倍に増加しています(国土交通省)。本年で2011年の東日本大震災から10年目を迎えます。私たちの先輩諸氏は当時、被災地に心を寄せ集めた募金を、銀河連邦のつながりから大船渡青年会議所へ集まった募金を託し、そこから現在までの友情があります。節目となる本年は、忘れてはいけない震災の記憶を風化させることなく、私たちの防災意識の向上につなげていく機会としていきます。また、相模原市の人口は令和元年をピークに人口減少へと転じております(国立社会保障・人口問題研究所)。高齢者人口比率は今後上昇し、2045年には65歳以上の人口が1.4倍となる見込みがでています。本年度は、2018年に締結をした災害ボランティアセンター運営における相互協力に関する協定書をもとに、社会福祉法人相模原市社会福祉協議会との信頼を深め、自助・共助・公助の精神のもと、市民とともに誰も取り残さない防災を推進し、安心して住み続けられる未来へとつなげてまいります。

【未来に可能性を見出す持続可能な地域教育】

子どもたちが自信に満ち溢れ、夢を語り躍動する姿を目に浮かべてほしい。私たちの責任ある行動で子どもたちの未来は必ずより良くなります。そのためにも、未来に確かな可能性を与えることが必要であります。現在、子どもたちを取り巻く環境も大きく変化してきています。スマートフォンの普及により、欲しい情報をすぐに手に入れることができ、コミュニケーションの方法も時間を有効に使える環境になったことで、多くの人とつながることも容易になりました。その反面、年少期からSNSの利用が増加している現代において、ネット上には子どもたちの健全育成に有害な情報があるのも事実です。また、SNSでは相手の本当の姿は分かりません。社会経験の浅い子どもでは、なおさら被害に遭うおそれが高く、知らぬ間に犯罪にかかわってしまう危険もあります。本年度は、グローバル化し激変を続ける社会で正しい使い方やモラルを持ち合わせられるよう、健全なSNSの利用を促す講座を開講してまいります。 2019年度に相模原市と相模原青年会議所は「SDGs協働推進宣言」が行われ、2020年7月には「SDGs未来都市」に選定をされました。現在、未来に対して不安や悩みを抱えている企業や市民も少なくありません。多くの人が未来を意識する時だからこそ、目標達成へ向かうチャンスであります。持続可能な社会に向けて私たちJAYCEEが、未来を信じて地域を描き、さらなる広がりを生み出す起点を創り出しSDGsの目標達成に向けて推進をしてまいります。これまでも推進をしてきた持続可能な開発のためのESD教育(Education for Sustainable Development)は、持続可能な社会の担い手を育む教育です。人格の発達や、自律心・判断力・責任感などの人間性を育むことに加え、他人・社会・自然環境との関係性を認識し、「関わり」「つながり」を尊重できる個人を育むことが大切になります。持続可能な社会を目指していくには、SDGsの目的や目標を理解し、行動する意識の醸成が必要であります。学生期に地域で足元の課題に着目し、日常的にSDGsを意識できる環境創りのため、SDGsを組み込んだESDを推進していくことが重要です。本年度は、子どもたちに更なる普及啓発を可能とする教育のツールを生み出してまいります。そこに私たち青年経済人が、子どもたちに夢や人との信頼や生き抜く力を伝え、デジタルを活用したオンライン配信とオフラインでの伝え方を融合させ、子どもたちが自らを信じて学び進めることのできる、地域の先生事業を実施いたします。また、私たちのすべての事業にSDGsを取り入れ、市民の意識変革をしていくとともにメンバーの発展や成長にも寄与してまいります。 そして、毎年行われている合同事業については、町田青年会議所・多摩青年会議所と信頼の輪をさらに深める機会とし、同志との友情から新たなつながりを創ってまいります。

【信頼溢れる人材の持続可能な開発】

明るい豊かな社会の実現のためには、自らの可能性を信じる人を一人でも多く地域に創出していくことです。そのために我々は、青年会議所に入会する仲間を増やし、発展・成長の機会をメンバーに与えていかなければなりません。そして、私たち一人ひとりが組織の魅力にプライドを持ち、熱をもって伝える人がいなければ拡大はできません。2019年の総会にて決議した拡大中期VISIONに沿い、200名定員制LOMの実現に向けて会員全員で取り組み、新たなリーダーとなる仲間を増やしていきましょう。しかしながら現在の環境において、従来の拡大方法のままでは新しい会員を増やすことは容易ではありません。本年度は、魅力を感じられる期間を設けて入会までの窓口を広げ、柔軟な入会手法を展開してまいります。また、JCは品格ある青年は誰でも入会ができる広い入口があります。多様な人材の入会の幅をさらに広げ、JCの魅力に触れる機会を創り出し、ニューノーマル時代に即した新たな拡大計画を模索してまいります。 私たちの理想とするリーダーはどんな姿なのでしょうか。自分を信じることができれば、前向きな変化が生まれ、できないことにも挑戦する人材になります。そして多くの同志を引き寄せ信頼の輪が生まれるのです。また、地域の人からの信頼があれば、どのような地域も必ず良くなると考えます。JCは多様な人材が多く集まり、沢山の出会い、様々な機会に恵まれており、一人では成し得ぬことへの挑戦をさせてくれる組織でもあります。地域の人を巻き込む力は、JCでの挑戦をした数で備わっていくのだと考えます。JCメンバーが住み暮らすそれぞれの地域は、さらに光輝く可能性を秘めています。己の自信を培い、仲間を信じる人となって好循環の輪を創り出し、一人ひとりの発展・成長につなげ、持続可能な人材の開発から社会を動かし、積極的な変化を起こせる人材を創出してまいりましょう。 そして、これからの相模原のリーダーを一人でも多く輩出するためにも、入会時からLOMの存在の意味や意義などを伝えることで、己の可能性を信じる気づきを与え、持続可能な人材の開発につなげてまいります。また、在籍する年数や経験が違えば学ぶ内容もそれぞれ変わってくるものではないでしょうか。本年度は、相模原青年会議所独自の人材育成の機会を提供してまいります。また、40歳で卒業となるJCにとって、卒業された先輩から学びを享受し、人とのつながりを強固にしていくことで、仲間との信頼をさらに深める機会を創り出せるはずです。卒業生が体感したこれまでの数々の経験を私たちは継承してまいります。各種大会や諸会議はJCのスケールを感じられる場所であり、全国各地からの志を持った同志が活躍する場所であります。できないことにも挑戦する前向きな自信に漲るJAYCEEを肌で体感することで、新たな気づきにつなげ、渉外事業を通した経験をもとに、仲間との信頼を生み出してまいります。

【組織を進化させ信頼を生む持続可能な運営】

組織運営における信頼は、運動を支える運営下地から創られるものであり、下地が運動の仕上がりにも影響を及ぼします。社会から選ばれる組織にならなければ運動の成果も生まれません。だからこそ、常に変化を恐れずに進化する運営が必要であります。 会員の皆様からお預かりしている会費で成り立つ青年会議所にとって、公正な会計処理を明示しなくてはいけない重要な役割であり、当たり前のことを徹底することが組織への信頼につながります。年に2回行われる総会は、創立以来実施されている歴史の1ページとなる場所であると考えます。最高意思決定機関にふさわしい空気と、歴史を体感できる場所を創り、メンバーの帰属意識の向上につなげてまいります。 そして、社会的な信頼に影響を及ぼすコンプライアンスも審査を行うだけではなく、積極的に研修を行い、メンバーの企業の成長にもつなげてまいります。また、私たちにとって会議のベースとなる議案書については、事業の最大化を図れるよう適正な審査を行い、事業の効果を高めるための支援をしてまいります。現在、WEB会議の利用が増加していますが、単にWEB会議の効率だけを求めていては、私たちの会議ではないと考えます。意思決定の重要な時間であるのと同時に、成長の場所を提供できる会議こそ青年会議所の魅力でもあります。WEB会議での円滑なシステムを構築していくとともに、デジタルとアナログの融合で創れる、時代に即した柔軟な対応でメンバーの時間を有効なものとしていき、効率的で信頼につながる運営方法を検討していきます。 現在、一つの動画だけでファンを獲得し、影響力を持つYouTuberが数多くいます。企業とタイアップする方法もあり、インフルエンサーの力は世界でも大きな影響があります。広報発信は事業の魅力の見せ方やターゲットを明確にしたうえで、共感を生み出していかなければ人の記憶には残りません。本年度は、これまでのSNSの仕組みを最大限活用したうえで、パートナーと連携した年間を通じた広報計画を立案し、ファンを増やしていくことで組織の魅力にもつなげてまいります。 毎年行われている理事選挙については、メンバーの貴重な成長の場であります。これまでも、まちの未来や夢、理想を語り、メンバーの成長につなげてきました。本年度は、それぞれの想いを自信につなげる空間から、新たなリーダー誕生の瞬間をメンバーと共に共有していきます。また、組織の外に出て相模原青年会議所の信頼を創り上げ、日々戦っている仲間がいます。出向者への支援については、出向先での経験を組織へフィードバックする機会を創り出します。 私たちの毎日は常に変わり続けています。挑戦をする運営が生まれるからこそ、運動の力に推進力が増していきます。誰もが活躍できる機会を感じられる運営から組織の進化を図り、信頼ある持続可能な組織につなげてまいります。

【未来を信じて】

私たちはこれまでも、創始の精神を受け継ぎながら多くの情熱を注ぎ、運動を展開してまいりました。明るい豊かな社会の実現に向けて、リーダーとなる人材を多く輩出し続けるためにも理想のリーダー像を描き、相模原の未来に向けて目指すべき姿を追い求めてまいります。2020年度、私たちは第68回関東地区大会相模原大会を主管し、創立55周年を迎えました。2015年度の第43回神奈川ブロック大会の主管から現在に至るまで、先輩諸氏が私たちの成長の機会のために数々の挑戦をしてきたからこそ、今の私たちがいます。大会という機会は、単年度を超えたプロセスから私たちの絆をより強くし、多くの同志とのつながりをより強固にしてくれました。大きな機会から得る経験は、必ずやLOMの発展・成長につながると確信しています。これまでの大会の経験をLOMの未来に確かな希望をつなげていくためにも、LOMの発展と成長を生み出す環境につながる出向政策や、今後の起爆剤となる諸大会誘致を視野に入れ、未来をデザインしてまいります。

【むすびに】

変化の激しい時代だからこそ、そのもの本来の姿を見にいかなければならない。 信頼の輪の連鎖は、必ずや地域との強いつながりを生みだし、すべての人が活力に満ち溢れ、誰もが誇れるべきまちとなることを確信しています。 先の見えない時でも、良くなると信じて行動してきた先人がいたからこそ、今の私たちの日常があります。日々、生かされていることへの感謝を忘れずに未来に向けて己を信じ、歩みを止めず、進んでいこう。 せっかく使う時間なら、悔いなくおもいっきりやってみよう。 地域との信頼には無限大の可能性があると信じてみよう。 信頼の輪が創る活力溢れる相模原の実現へ

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